カ・セント(スペイン料理・県庁前)

カ・セント

カ・セント』へ2回目の訪問です。
前回、モダンスパニッシュの印象を変えてくれたコチラ。
期待を伴っての訪問。

前回の訪問からオーナーが替わり、内装も少し変わってました。
個室になってたところは戸が取り払われ、大テーブルも撤去。
レストランらしい空間になっておりました。

相変わらず目ヂカラがすごい(笑)福本シェフに挨拶。
会うのは3回目ですが、正視できないくらいスゴイオーラが...。
この人とデビッド・セニアの二人は、間違いなく天才肌の料理人だと思います。
(それぞれタイプは違うのですけどもね)

・いかなごのオムレツ

20090321casento01.jpgいかなごとは、神戸の春ですねぇ。
実家にいたときは毎年、母親が煮ておりました。

・ウイキョウのスープ
・何か(笑)のカルパッチョ、モホソース

20090321casento02.jpg以上の3品は同時に出てきます。
と言っても、ナイフとフォークなので三角食べはしませんが(笑)

どれもさっぱりとしていますが、味にちゃんとアクセントのあるもので、
繊細さばかりではないところに、シェフのセンスが見え隠れしてます。

GGファームの野菜等のサラダ、焦がしバターとパルミジャーノソース、アスパラの泡

20090321casento03.jpg前回に続き、ハンガリー人のギャリ氏が作った野菜を中心に。
やはり素材重視なのですね。確かに素材は良いものを使っておられます。

ただ、ナイフ&フォークより箸の方が食べやすそうだな~なんて(笑)

・パン

20090321casento04.jpg台はシェフの手による自作だそう。
何だかますますセニアっぽい感じがするなぁ(笑)
彼もよくいろんなもの作るし。

・金目鯛の低温調理、柑橘のソース、オリーブ風味の塩

20090321casento05.jpg金目旨いよ金目。

低温ローストってそんなに好きじゃないんだけど(たいがい風味の点で劣るから)、
魚に関しては割とアリだと思ってます。
むっちりかつホロホロとした食感は、やはり現代の叡智ですね。

・ロンバルディアの豚を低温ロースト、ひよこ豆のペースト、ハイビスカス風味の塩

20090321casento06.jpg肉の名前もソースの名前も覚えられナーイ!(笑)
フランス語ならまだ覚えやすいのですが、
イタリア、ましてやスペインとなるとまったくダメ。
音の法則に慣れないと無理・・・。

これも低温ローストで、一見すると生っぽいんですが、
きっちりと「噛む」楽しみのある歯ごたえで、固いということは微塵もございません。

低温ローストによる香りや風味の表出低下はソースが補ってくれて、
全体としては僕の嫌いなシンプルすぎる低温ローストになってません。
この辺りの、きっちりメリハリをつけてくるところがスゴイと思うんです。
こういう使い方なら、低温調理もOKです!

・オジャ

20090321casento07.jpg魚介とトマトのオジャ。「おじや」ですね。
この「オジャ」が語源らしいんですが。
けしておじゃる丸じゃないですよ。

味は...おじや(笑)

・弓削牧場のミルクアイスとフロマージュ・フレ

20090321casento08.jpg文句ナシ。

これを不味いという人がいたら、ぶっ飛ばしたいくらいのおいしさ。

・林檎のケーキと皮のシャーベット

20090321casento09.jpgまだりんごデザートブームが終わらない僕ですが、
その中でもこれはスゴイ。

ケーキの方はしっかりと甘さを蓄え、シャーベットはとことんすっぱい。
このおかげで、おなかいっぱいだったのに、
何だかもう一周コースが食べられるんじゃないかと思うくらいリフレッシュ。

インパクト、バランス、どれ素晴らしいデザートでした。

シェフは目ヂカラもすごいけど、腰は低いし、何より熱い方です。
何より我らが地元・神戸を愛してらっしゃる!

こんなお店があるなんて、やっぱり神戸は素晴らしいです!

店データ
店名:カ・セント >>HP
住所:神戸市中央区中山手通4-16-14 >>地図
アクセス:地下鉄県庁前駅から徒歩8分
電話:078-272-6882





カ・セント(スペイン料理・神戸)

某レストランのシェフ&マダムからお聞きした神戸・元町の『カ・セント』へ。
なんでも、スペインのヴァレンシアにある同名の『Ca Sento』というレストランで
料理長だった福本氏が、5月からこちらでモダンスパニッシュ料理を作っているとのこと。
スペインの『Ca Sento』は、今年ミシュランの二つ星を獲得。
福本氏が料理長を務めていたときも一つ星だったそうで、期待しての訪問。

ちなみに、モダンスパニッシュというジャンルは正直、僕の趣味ではありません。
なんだかチマチマとした印象で(これは最近のフレンチにも言えますが)、
ラップやフィルム、注射器に試験管など、「そんなもの食卓に乗せるな!」って
思う料理が多いと思うから。僕はオーソドックスなものを大事にしたいんです。
とはいえ、自分の見識を広げるために、1度行っておくのも良いかな?と思って訪問。

でも、こちらは良い意味で僕のモダンスパニッシュに対する偏見を裏切ってくれました。
せっかくなので、おまかせコースを予約。
このテのお店はおまかせくらいでないと、真価を見られないと思うので。

・3種(?)のグリッシーニ

20080814casento1.jpg何となくおいしいグリッシーニ。イタリアンでよく置いてあるものとは違います。

・フォアグラ&キャラメル バルサミコソース

20080814casento2.jpgアミューズ・・・と、ついフレンチの枠組みで考えてしまうのが悪い癖。
スペイン、スペイン。

ややゆるめのフォアグラですが、パリッとしたキャラメルの食感とよく合います。


・泉州の水茄子とロシア産キャビア、3種のバジル

20080814casento3.jpgほんのりとした酸味でユニークな茄子。
水茄子が何とも気持ちよい食感というのでしょうか。
ザクザクとした歯ごたえとやわらかさがあり、バジルの風味もいいアクセントに。
また、これまた本来あまり好きでないキャビアが、うまいこと料理に溶け込んでいました。
シンプルな一品ですが、センスを感じさせてくれます。

・三田、姫路等の野菜約20種を使ったサラダ エメンタールチーズのソース

20080814casento4.jpg

この日一番印象に残った料理です。そして、シェフの料理の方向性をよく示している。

最初に野菜だけが置かれ、「ガルグイユみたいなもんかな?」と思ったら、
その後に白いソースがかけられます。これ自体はまあ、よくある演出。
ソースと素材が変になじまず、素材自体の食感も楽しめるので、良いと思います。

でも、「ふーん、何とも現代的だねー」と思いつつ食べると、だんだん驚きが。
まずはソースの繊細な味わい。
フレンチのソースと違い、粘りけはなく、サラッとした食感です。
塩も限りなく少ないのに、チーズのうまみがしっかり。
これはフレンチじゃない。そう思わされます。

さらに驚かされるのがそれぞれの野菜との一体感。
オクラがこんなにチーズに合うなんて。
あのネバネバが旨みを吸着し、まるでチーズ自体がとろけているかのようなおいしさ。
それぞれの素材感もたっぷりで、ちょっと感動しました。

・フォアグラの低温ソテー アロエとミント

20080814casento5.jpgこれも実は趣味じゃない料理。
フォアグラのテリーヌとかは異常に好きなんだけど、
ポワレってあのカリッ&どろっが苦手なんです。

でもこれは低温で焼いているらしく、とろとろ。
一口目はまるでトロのようなとろけ具合で口に広がり、
後味は上質なウニのように濃厚かつ印象的。
フォアグラって、軍艦巻きにしてもおいしそうとか思ってしまうくらい。

アロエを合わせるのも、至極現代的なやり方ですが、
ミントの爽やかさと共に、よりフォアグラ自体を引き立てます。

ちなみに、フィルムみたいに見えるのもアロエを乾燥させたもの。
フィルム嫌いの僕にはこれも良い。

・イサキのソテー アメリケーヌソースとサリエット

20080814casento6.jpgミキュイですね~。魚に関しては、僕と相方で意見が分かれました。
僕はどちらかと言うとフランスみたいな弾力のある魚が好きなんですが、
相方は日本のやわらかい、ほぐれるような食感が好きなもんで。

これは相方好み。やわらかな日本ならではの魚料理ですね。
珍しく一口食べて「おいしい!」と言ってたほど。

ソースがまた、少量なのにものすごいインパクト。
これはむしろ僕好み。でもこのやわらかめな魚には、これがよく合うんですな。

・梅山豚の低温ロースト スペイン産アーモンドと銀杏

20080814casento7.jpgメイン料理ですね。この時点で、意外なほどにおなかいっぱい。
量はそれほど多くないと思うんですけど、満足感のおかげかな?

日本に100頭しかいないという梅山豚(メイシャントン)を、これまたじっくり火入れ。
「ぜひ脂も一緒に食べてください」と、一緒にお皿に。

固さは普通の豚より柔らかく、流行のトップブランドの豚肉より少し固い感じ。
繊維の一つ一つをしっかりと感じられる肉質で、旨みはイベリコ並だけど、
イベリコ豚ほど脂っぽくない。モロにウチの好みです。
やわらかすぎる肉や、脂の多い肉は好きじゃないもんで。
旨みの凝縮感が素晴らしく、シンプルなローストがベストな調理法でしょう。

アーモンドと銀杏は甘辛く炊かれていて、このソースを肉につけてもまた旨い。
野菜の料理と共に、シェフの料理の真髄を垣間見た気がします。

・パエリアのクレープ包み

20080814casento8.jpg肉でおなかいっぱいだったのに、スペイン料理ってことを思い出し、
パンに伸びる手を止めて正解でした。そう、パエリアです。

魚介のパエリアをクレープで包んでやいています。
でもこの香ばしい香りはどこかで記憶が...と思ったら。
うん、本っ当に失礼なのはわかってるんですけど、あえて言います。

たこ焼きorイカ焼き(阪神の地下で売ってるやつ。食べたことないけど)ですわ(笑)

いや、ホラ、でも材料的には近いですからね。魚介でしょ、クレープは生地でしょ。
もちろん、ちゃんとパエリアらしい味なんですよ。
しつこさとかないのに、味もしっかり。
ちょっと香りとプレゼンテーションに驚いたけど、おいしいパエリアでした。

・八角のアイスとスペインのチョコレート

20080814casento9.jpg八角、大好きなんです。
ちょっとミルキーな味わいに仕立ててあって、キツすぎないところがまた美味。
チョコとの相性も良く、フレンチのプレデセール的な扱いかと思いきや、
立派にデザートの一品として成立しています。

・ヴェルヴェーヌアイスの飴細工とパッションフルーツ

20080814casento10.jpg

これまた僕が大好きなヴェルヴェーヌ。フランスでハーブティー買ってたくらいですし。
おまかせコースなのに、なんてツボな食材で来るんでしょうか!
キレイな球体に仕上げてあるな~と感心しながらスプーンでパキパキと飴を割ると、
素晴らしい香りのヴェルヴェーヌが匂い立ちます。もう陶酔。エクスタシー級。
器も、香りを楽しむために適したものですしね。

食事の後、紅茶を飲みながら少し(でもなかったかも?)シェフたちとお話。
シェフは何と同い年じゃないですか。ビックリ。

スペイン料理に対して、フィルムとか使う偏見持っていたことをお話すると、
モダンスペイン料理は確かにフェラン・アドリアさん(『エル・ブジ』のシェフ)から
始まったけど、スペインって自由なんです、とのこと。
そこから始まったけど、それに囚われないところが、フランス料理と違うんです、と。

なるほどね、今日の料理を食べてわかる気がします。
技術は技術だけど、ものすごく素材重視でしたしね。
最近の(フランスの)フレンチは右に倣え状態の料理も多いですし。

その技術、たとえばフィルムとか液体窒素とかは使わないんですか?と尋ねると、
技術としてはすごいが、それを追い求める時間やお金があったら、素材を追求したい
という答えが返ってきました。最新技術と違い、10年、20年後にも残るものだから、と。

そうですよね。僕ら食べる側はせいぜい一度に2、3時間。
月イチで行っても、料理に触れるのはたかが年に2日間くらいでしかないんです。

でも、作る側はその先何十年もそれを続けていく人生がある。
それを考えると、最近の目新しいもの、変わったものだけを持てはやすのは
罪とすら言えるのではないかと、このところよく感じます。

頭の回転の速いシェフでした。さすがヨーロッパで長年やって、
シェフとして人を使う立場にあっただけあるなーと。
同い年の自分が恥ずかしい思いすらする感じ。自分も頑張らねば、と思います。

オーナーシェフではないため、まだまだ100%の力を発揮できているわけでは
ないと思いますが、素晴らしいレベルの料理をいただくことができました。

店データ
店名:カ・セント >>HP
住所:神戸市中央区中山手通4-16-14 >>地図
アクセス:地下鉄県庁前駅から徒歩8分
電話:078-272-6882




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