ひらまつ 広尾(フレンチ・東京)

『ひらまつ 広尾』でディナー

先日の『オーベルジュ・ド・リル ナゴヤ』に感激。ならば系列の『ひらまつ』本店も行ってみようかということで、今回は「追及!美食道」のAKIKOさんにご一緒いただきました♪ 素敵なレディ、といった印象で、スマートなふるまいのできる女性です。

ミシュランフランスで、日本人オーナーシェフとして初めて星を取った、平松 宏之氏。その原点は、元々この場所にあった『ひらまつ亭』。『ひらまつ 広尾』と改称し、フランス等の三ツ星シェフと提携し、フレンチやイタリアンを多数展開する株式会社ひらまつですが、その総本山がこちら。日本を代表するシェフの本店という点でも、日本を代表するフレンチレストランの一つと言っていいでしょう。

広尾駅の出口から交差点を曲がるとすぐに店は目立たぬようにあります。ドアマンにドアを開けられると、そこは画廊を併設し、静寂を保つウェイティング。2Fにはバーもあり、こちらで食前酒を頂いてからダイニングへ移りたいところですが、今回は新幹線の時間の関係でいきなりダイニングへ。

ダイニングの内装は天井こそ低めですが、シックな木の質感を持ち、壁には高級絵画と、非日常感を醸し出すには十分。何より、ダイニングを始め、階段や廊下など、至るところにそれはそれは豪奢な花が飾られているのです。建物としては小さいながらも、「館」と呼びたくなる重厚な雰囲気があります。

ディナーのコースは16000円~。サービス料が15%と、この点でも「高級レストラン」と呼ぶに十分(笑) しかし、ご相伴いただいた女性と最終近い新幹線で大阪へ帰る話をしていると、「新幹線の時間を調べてお持ちいたします」と。もちろん、これくらい高級レストランでは出来て当然なのですが、それでも嬉しくなるものなのです。

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まずはシャンパーニュをいただきながらグジェールをつまみ、メニューを眺めます。こうしてアペリティフをいただきながらというのは、系列の『オーベルジュ・ド・リル ナゴヤ』と同じで、ゆっくりとした時間を過ごせます。今回は16000円のコースをいただきました。

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●アミューズ:グリーンピースのスープとラベンダーのアイス
とてもなめらかなスープがテーブルに置かれ、その場でラベンダーアイスを浮かべてくれます。青臭さのないスープに、ラベンダーの爽やかな香りがマッチ。最初から、そこらのレストランとの格の違いを見せつけてくれます。

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●前菜:春の香り漂う庭園 ベロータのイベリコハムと小イカ オリーブオイルのエミュルションソース
野菜のひとつひとつ、ハム、魚介と、良い素材を使っているのは一目瞭然でおいしいのですが、やはり印象としてはやや弱め。僕の好みとしては、もう一ひねり欲しかったかな、という印象。

●魚:オマール海老のパイ包み エストラゴンとトリュフの香り20070609hiramatu5.jpg
20070609hiramatu4.jpgオーセンティックそのもののビジュアルですが、これはすごい! ズッキーニなどの野菜と共に、オマール海老をミンチにしてパイ包み。うまみがぎゅっと閉じ込められた具材は、「料理する」とは「おいしくする」ことなのだと実感させてくれます。

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●肉:ブレス産若鶏のロースト フォアグラのラビオリとモリーユ茸のムースリーヌ
そして今回、一番の感激した品。行く前は、「いくら『ひらまつ』とはいえ、1万6千円のコースでメインが鶏か...」と消沈していたのですが、そこはやっぱり『ひらまつ』。こんなに柔らかく、ジューシーな鶏のローストは初めていただきました。もも肉はもちろん旨みたっぷりでおいしいのですが、むしろ胸肉に感激。そのさわやかな旨みは、もも肉では絶対に味わえない極上のもの。写真左上の泡の中にはラビオリが隠れており、こちらはじゅわっとあふれ出るフォアグラバターで楽しませてくれます。ソースの塩気と旨みのバランスも素晴らしく、独特な食感の鶏肉と好相性。

●フロマージュ:"アレオス"のフロマージュアフィネ

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フロマージュもメニューに含まれています。『リル』と同じく、パリにある『アレオス』で熟成されたチーズが15種類ほどワゴンに乗せられ、ドライフルーツやナッツと共にいただきます。大好きなエポワスとコンテを指定し、後はおまかせでお願い。もう1種は、バランス良くブルーチーズでした(名前失念)。このブルーチーズの熟成状態が素晴らしかった。コンテはまだまだ若くて残念。エポワスは最高の状態で、とろっとろ。苦味が旨みに変わるそのグラデーションをたっぷりと味わいました。

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●デザート:赤いフルーツのグラタン仕立て オレンジのチュイルを添えて
いまどきのフレンチとしては、見た目に地味なデザートですが、その質は素晴らしいものです。特にカスタードのおいしさが、これまで味わったことのないもの。ごくありふれた食材の中で、最高のものを味わう。高級レストランの醍醐味のひとつですね。

●プティフール&ハーブティー

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大量のプティフール。ちょっと1個1個が大きすぎるような...。特にショコラ。甘い・苦い・すっぱいと、バランスよく揃っているのですが、もう少し小さい方が味に集中できるかな。もう一つ、ショコラクリームと共に出される極薄のシガレット。とても軽い食感で、面白いですね。それだけにショコラは重かった...。あと、ハーブティーにフレッシュものが無いのがちょっと残念。ヴェルヴェーヌをいただきました。

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全体としては、9割の王道+1割のα。そして極上。クラシックな料理は、シックな内装、雰囲気ともうまく重なっています。この秋に刊行されるミシュラン東京版ではいくつかわかりませんが、必ず星はつくでしょう。そう考えれば1万6千円というのは高くないのかもしれませんが、さすがにコストパフォーマンス的に苦しい部分もあり...。料理や雰囲気、サービス、何もかもすべて素晴らしいのです。値段はかなり高いですが、一度は訪れる価値があると言えます。

【07年11月追記】
ミシュラン東京2008で、無事一つ星を獲得されました。王道系が評価されにくい最近のミシュランで、かなり健闘していると思います。快適さを表すフォークの本数は4本ということで、サービスも高く評価されており、総合的には日本を代表すフランス料理レストランの内の一つに間違いなしです。

店データ
店名:ひらまつ 広尾 >>HP
住所:東京都港区南麻布5-15-13 >>地図
アクセス:日比谷線「広尾」駅1番出口より徒歩1分
電話:03-3444-3967


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