クリスチャン・エティエンヌ(Christian Etienne)(フレンチ・フランス)

南仏・アヴィニヨン、法王庁の隣にあるレストラン『Christian Etienne(クリスチャン・エティエンヌ)』でディナー。2006年のミシュランでは、アヴィニヨンに4軒ある、星付きレストランのひとつで、一ツ星を獲得しています。同じ06年度のゴー・ミヨーでは15点。このことは事前に知らず、宿の裏で近かったのと、雰囲気のよさ、ガイドブックの「南仏を代表するシェフ」というコメントから、このお店をチョイス。当日の4時ごろに直接お店に行って、予約しました。

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雰囲気は本当に良いです。植物が絡みつき、風格を感じさせる外観。入り口からダイニングまでの階段も期待を高めるに十分。今回、テラスでの食事だったのですが、濃い赤に黄緑色のクロス2枚がけ。壁なども南仏っぽい色使いで、料理にも期待しました。
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夜のムニュは55ユーロ~。お昼は30ユーロのムニュもある模様。アントレ(前菜)+プラ(メイン)+デザート、の3皿構成。他には70ユーロ、105ユーロのメニューも載っています。今回は別紙になっていた「 Menu legumes de printemps」という60ユーロのムニュ・デギュスタシオンをいただきました。

・3種のアミューズ

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まずはアミューズに3種盛り。クリームチーズのムースなど、です。うーん、この時点では変わった食感だなーとおもったくらいでしょうか。あまりおいしいとは思えませんでした。

・Consomme de queue de boeuf,epinards et vermicelles
牛テールのコンソメ、ほうれん草とヴェルミセル(細かく砕いたパスタ)

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アミューズ2に、コンソメスープです。
スープ自体の味は悪くないです。量も適切。しかし、ヴェルミセルがよくない。カッペリーニをぶつ切りにしたようなものが入っていて、食感が悪くなっています。

・Beignets d'asperges,mousseux de morilles,des de foie gras terrine et poudre de cazette
アスパラのフリッター、モリーユ茸のムース、フォアグラのテリーヌとcazetteのパウダーがけ

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前菜にはアスパラのフリッター。天ぷらのような食感ですね。でも、火の入れ具合は日本で食べる天ぷらの方がはるかに上です。ムースの味は悪くないですが、食感はぬるくてイマイチ。フォアグラのテリーヌはおいしかったです。むしろ、これだけでもいいかも。ところで、cazetteって何でしょうか?

・Julienne de seiche cuite a la plancha,artichauts poivrade,boulgour et jus de bouillabaisse
イカのソテーのジュリエンヌ(せん切り)、ア・ラ・プランチャ、アーティチョークのポワブラード(黒胡椒とはちみつの)ソース、ブイヤベース風の魚介のジュと共に

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さて、いよいよメイン。まずは魚。ですが、出てきた瞬間、イカに見えませんでした。一瞬、パスタに見えたのです。食べてみると、確かにイカ。ソースは悪くありません。でも、イカがどうも...。そもそも、なぜせん切りにするのか。その必要性を問いたい。アミューズのコンソメ同様、ぶつ切りになったパスタを食べてるような食感がするのです。せん切りの一つ一つが固くて、口の中で食感が途切れ途切れになっているため、ひとつの料理を食べているという実感がわかない。本当にこの形で提供するのが正しかったのか、これでないといけないのか、考えて欲しいです。

・Petits gris de Provence et fevettes en fricassee sur un coulis de pommes de terre nouvells,cebette emincee minute
プロヴァンスのプティ・グリ(エスカルゴ)とそら豆のフリカッセを、土地の新じゃがのピュレに浮かべて、ニンニクの芽スライスのフライ

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魚と肉の間に、変わったスープが出てきました。じゃがいものスープなんですが、どうもピントのボケた味がします。何を味わえばいいのか。中途半端に薄めのスープ。特に味の無いエスカルゴ...。素材同士の協調性もなく、味わうべきものが見出せませんでした。

・Plat de cote de boeuf francais cuit 72h,julienne de pois gourmands poelee craquante
フランス産牛肉の72時間煮込み、エンドウのポワレ

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次はメインの肉。72時間煮込んだ牛。これは...何? 固いです。パサパサです。なぜこんなに煮込んだのか。料理が素材に魂を吹き込むものだとしたら、これは違う。素材としての魂すら抜いてしまっています。まったくおいしいとは思えないです。

・Caille de chevre au radis rose,brunoise de concombre,huile d'ail nouveau
ローズラディッシュとシェーブルチーズ、きゅうりの小角切り、新にんにくのオイル

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チーズはこんなもんかな。ラディッシュの食感はシャキシャキして良いです。ただ、きゅうりの青くささが余りにも強くて、チーズとのバランスを崩していると思います。ここからはデザート。

・Glace carotte,chantilly de petit pois,pamplemousse et amande
にんじんのアイスと、グリーンピース、グレープフルーツ、アーモンドのホイップ20060608etiennedeza-to.jpg

・パンナコッタのベリーソース20060608etiennepannakotta.jpg

・ミニャルディーズ(マカロン、マシュマロ、焼き菓子)20060608etienneputelifu-ru.jpg

メインのデザートもイマイチ。味もボケているのですが、何よりも食感が良くない。ホイップがまたぬるいですし...。んー困ったものです。メニューに書いてあったのはここまででしたし、早く出たかったのでコーヒーを断って出ようとすると、ミニャルディーズが。書いておいてくれーって感じです。おかげでコーヒーなしでミニャルディーズをたべるハメに。幸い、パンナコッタはおいしかった。というか、ここで食べた中で一番普通で、一番おいしかった。ミニャルディーズはマシュマロが好きではないのですが、他はまあまあ。

全体として、料理の必然性を問いたいです。その素材をその調理法で出す必然性があるのか。食感を気にしているのか。もっとシンプルに調理した方がおいしいのではないでしょうか。帰国後、ここがミシュラン一つ星、ゴー・ミヨー15点だと知って驚愕しました。この創作性に奔り過ぎているのも、こういう評価のせいなのでしょうか。変わったものを出さないと審査員の目に留まらないのでしょうけど...。

唯一の救いは、サービスが良かったことです。小太りで愛嬌のある風体をした給仕長を筆頭に、楽しませようとする姿勢がありました。英語を話せる店員も割と多い。でも、料理がこれでは...。見直してもらいたいものです。

店データ
店名:Christian Etienne(クリスチャン・エティエンヌ) >>HP
住所:10 rue de Mons 84000 Avignon >>地図
アクセス:アヴィニヨン 法王庁の隣
電話:+33 4 90 86 16 50