岐阜の和フレンチ『魯庵』でランチ

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■コンセプトは和のフレンチ

 雑誌「あまから手帖」の美濃特集に掲載されていたお店。そのコンセプトは、フレンチを美濃焼きで食べるもの。今回はランチに訪問。多治見駅から山側に上がったところですが、岐阜方面から車だったので少々迷い、電話で聞きながら到着。お店の前の駐車場も台数があり、外観も落ち着いた古民家です。雑誌によると、3年かかって、落ち着いた一軒家を探したとのこと。

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今回は早めに予約したので、和風の個室を予約しました。ダイニングを含め、すべての部屋から庭が見えるように配置された建物の構成に感心させられます。僕たちの部屋からは、しっかり手入れが行き届いた坪庭、テラスでは何かの記念日に来られていたと思われる家族が記念写真をお店の方に撮ってもらっていました。

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■料理の構成

お昼の料理は2800円、4000円、6000円。今回は4000円の"昼会席"です。構成は以下の通り。
●アミューズ・グール:カプレーゼと鹿のパテ
●前菜6品盛り合わせ:鴨のスモーク、サザエなど
●スープ:カブのポタージュorビーツのポタージュ
●魚:手長エビとホタテのロースト
●肉:牛肉のステーキ マデラソースorマグレ鴨のロースト
●変わり御飯、サラダ
●デザート:ブリュレとソルヴェ、ピンクグレープフルーツとフランボワーズ

ご飯が出るあたりが、普通のフレンチとは違いますね。シェフは東京・南青山の『ラ・ロシェル』などで修行しただけあり、料理は和の器に盛られていながらも、基本がしっかりしたフレンチです。

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■美しい皿と料理を堪能

アミューズはカプレーゼ(フルーツトマトとモッツァレラチーズ)と鹿のパテです。お昼の4000円で、いきなり鹿のパテとは、少しびっくり。カプレーゼはごく普通のものですが、パテは普通の豚のパテよりも野性味があっておいしかったです。

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前菜は6品盛り。皿がいかにも美濃焼きで、和室だったこともあって旅館のような気持ちになります。素材はホタルイカ、ホタテ、スルメイカ?、サザエ、カニ、鴨。印象的だったのは鴨。スモークの香りがかなり強くて好み。今回は高校生の女の子も一緒でしたが、まだこのおいしさはわからない様子でした。

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スープは2種から選択。カブは予想どおりの味。ビーツはもう少し酸味があると嬉しかったのですが、割と普通のポタージュでした。味は普通においしいし、色が面白いからいいのですけど。

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パンはバゲットとフォカッチャの2種類。小さい割にかなり重い陶器の皿に乗せていただきます。このフォカッチャがかなり美味。薄い皮の中はサクサクとふわふわで構成される、上質な生地。大阪はパンブームで、かなりパンの質が上がっていますが、失礼ながら岐阜でこれだけおいしいフォカッチャが食べられるとは思わず、おかわりをお願いしてしまいました。

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■焼き・塩、加減良いメイン

魚料理は手長エビとホタテを。器は典型的なフレンチの形ですが、こちらもしっかりと重量感のある焼き物。派手さのないグレー、いや、灰色と言うべきか。エビやソースの強い彩度とのコントラストは、ビジュアルとしてなかなか楽しい。出てきた瞬間に、楽しめます。エビの身もしっかりあって、味噌もついてます。ホタテの火入れは割とレアですが、ジューシーで美味。ソースの中、一番下にはラタトゥイユがあります。

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肉料理は牛肉か鴨。器は白平皿が熱々にされて来ます。どちらも塩加減・焼き加減が好みに合致。付け合せの種類はタケノコ、いんげん、そら豆、マッシュルームと、色合いにやや寂しいですが、味はおいしい。マッシュルームの下には玉ねぎを炒めたものが少しあり、そちらにもマッシュルームの風味が生かされています。こちらのお店はお箸で食べるタイプなので、肉は一口大に切ってあり、量は割としっかりあります(特に鴨)。ソースは両方ともオーソドックスなブラウンソースですが、しっかりした味付けで文句なし。

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また、肉と同時に、ご飯とサラダが運ばれてきます。ご飯は少し塩気のきいたそぼろが乗ったご飯、サラダはルッコラなどの葉ものを中心としたもの。いつものフレンチでは出てこないので、少し戸惑いますが、おかげでおなかいっぱいに。

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■甘味は、やはり甘いのが良いですね

デザートもしっかり。ものすごく滑らかで、口に入れてもまったく抵抗しないソルヴェ。なのに軽くない、むしろ重い。カスタードっぽい味ですが、すごく甘いのです。これまで食べたことのない滑らかさを持つ食感のソルヴェは、しっかり固まっていて、間に空気が入らないせいでしょうか、置いておいてもなかなか溶けません。上にはピスタチオのチップがかけられており、香りと見た目のアクセントに。ブリュレは表面を立ててありまして、こちらもかなり甘い。バニラビーンズもたっぷり使われており、香りも素晴らしいです。これら2種の甘さと対比するように、ピンクグレープフルーツとフランボワーズ。これは高校生の女の子にもハッキリとおいしいとわかるものでした。

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以上、料理は全体的に濃い目。大阪よりは東京寄りの味付けだと思います。しかし、酸味前菜~塩がしっかりのメイン2品~甘味の強いデザートまで、コース構成は見事。正直、都会とはいえない場所ですので、正統派のフレンチでは受けにくいと考えた結果、こういった和風にしたのかもしれません。しかし、美濃焼きで供される和の顔をした料理は、見た目で楽しませる点やその味で、そこらのフレンチ以上にフレンチとも言えるのでは。

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■ホスピタリティは◎

サービス陣は、人数は多いのですが、都会の洗練されたサービスとはいきません。東京はもちろん、大阪にも及ぶものではないでしょう。料理の説明なども、特にありませんでした。そこは地元の人を使うことになりますから、なかなか難しい部分ではありますが、地元密着型という点では、これで良いのかもしれません。実際、料理は割と早めに運ばれてきました。また、今回は記念日のお祝いをしたのですが、デジカメで写真を撮っていただき、それをすぐにプリントし、写真立てに入れて、シェフが持ってきていただきました。シェフは雑誌の写真より少し太られた感じがしましたが(笑)、えびす顔度が更に増して、何となく幸せな顔に。厨房で料理に向かう表情とは違った一面でした。

建物のしつらえや、料理は本当に見事。先のサービスといい、レストランとして、楽しんでもらおうという姿勢をしっかり持っている、ホスピタリティの高いお店でした。

店データ
店名:魯庵 >>HP
住所:岐阜県多治見市虎渓山町3丁目1-32 >>地図
アクセス:JR「多治見」駅より車で10分
電話:0572-21-6600



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