大阪で数少ないグランメゾン『シェ・ワダ』で18年勤めたシェフがご夫婦で開いたビストロ。天神橋筋六丁目から歩いていくと、住宅地の中に突然トリコロールがはためいています。
内装は南仏を意識したビストロ、という感じ。ピンクのソファ席はやや違和感がありますが、ハコが小さいなりにきっちりとまとめている、という感じ。
夜のコースは3000円~。アラカルトは前菜700円~、メイン1500円~とリーズナブル。「食べたい」客には、イノシシのロースト4000円などもある一方で、ハヤシライス1200円など、バラエティに富んだメニューです。最初はコースにしようかと思ったのですが、雑誌で見たフォアグラのテリーヌがおいしそうで、どうしても食べたかった。また、この日はランチが『大西亭』だったので、軽めのアラカルトで。
前菜に、フォアグラのテリーヌ。スモークしたテリーヌにブリオッシュ、いちぢくとアプリコットのコンフィを添えて。テリーヌ、最初は酒が強いかと思いましたが、それも旨み。程よいフォアグラの濃厚さと、ブリオッシュのサクサク感がよく合う一品。これはパンではダメで、試しにパンと一緒に食べてみましたが、違う。サクサクのブリオッシュならではのコンビネーションです。よく考えられた取り合わせがとても気に入りました。それにフルーツの甘みを加える技。『シェ・ワダ』のキャリアを活かした、見た目もキレイな一皿で「レストラン料理」という感じでした。
メインは鴨のコンフィ。こちらは打って変わって典型的なビストロ料理。マスタードソースがちょいと冷たかったのが気になりましたが、もともと付けない主義なんで無問題。付け合せには、じゃがいものソテー。表面をカリカリに焼き上げ、塩加減も抜群。鴨は肉が柔らかく、シンプルにおいしいもの。
デザートにはフォンダンショコラとバニラアイス。濃厚なチョコレートです。どっちかというとチョコレートのテリーヌ、という感じ。普通においしいものでした。
パンは天然酵母を使った自家製。白パンは少し酸味のあるもの。両方ともふかふかでおいしかったです。
お店全体としてはビストロですが、料理の腕はとても繊細なものを持っていると思います。子ども連れの方にも来て欲しいからと、ハヤシライスなど洋食っぽいメニューもあります。店の方向性はこっちで行くのかな? 個人的には、せっかくのグランメゾンで磨いた料理の腕を全開にした、レストランのフルコースもリーズナブルにあると嬉しいな~と思ってみたり。まあ、僕のわがままですね、これは。
| 店データ |
| 店名:ダン・ル・シエル |
| 住所:大阪市北区本庄東2-3-23 >>地図 |
| アクセス:地下鉄天神橋筋六丁目から徒歩8分 |
| 電話:06-6373-2332 |
大阪の元祖ガッツリ系ビストロ『大西亭』へ。かつて某雑誌のグランプリでNo.1になったせいでお客が殺到。予約は一ヶ月前から、というシステムになっていました。今はどうやら普通に取れる模様。とはいえ、この日のランチも満席。やはり人気は衰えず、といったところですね。
内装は...家? カウンターと、いくつかのテーブル席だけで、かなり小さめ。家庭用のような棚があり、壁は黄色を貴重としたかわいいもの。南仏系の内装ですね。床はコンクリートのような感じですが、壁などは暖かみがあります。
ランチは1570円で
●サラダorスープ
●肉or魚
●コーヒーor紅茶orチーズ
です。お昼でも、3700円~の夜のメニューもオーダー可能のようです。そちらに魅力的なメニューが並びますが、とりあえずは普通のランチで。
サラダはマテ貝のサラダ。うーん、見た目気持ちわるっ!(笑) 貝を茹でたものが3つ、一番上に。あとはレタスと茹で卵半分、トマトに...青いトマト? ずいぶん固いものでした。味は、そのまんま。貝の味とレタスの味。サラダ、というよりは、貝と野菜の盛り合わせ、といったイメージです。味は悪くないし、貝類大好きなのでOK。
■丁寧なメインディッシュ 前菜
メインは肉が伊賀豚と仔羊のパートブリック包み、魚が淡路産 鮮魚とカキの白ワイン蒸し。今回は肉をチョイス。丸い仔羊の肉にベーコンを巻き、それをパートブリックで包んであります。下のソースはレンズ豆やにんじんなど、数種の野菜に肉を加えたもの。ソース自体は複雑な味ですが、おいしい。でも、何よりも肉自体がおいしいです。羊全体にキレイに火が入っていますし、臭みをちょうど良くうまみに昇華させています。また、パートブリックの生地にも豚と羊のうまみが染み込みつつ、外はパリッと焼き上げてあります。料理が大雑把と聞いていましたので、あまり期待はしていませんでしたが、すごく丁寧な仕事です。でも、皿が小さすぎて切るときにソースが飛び散りそうで怖かった。もうちょっと深みのある、大きい皿に入れて欲しかったなー。
最後はチーズを3種類、薄切りにしたパン・オ・レザンと共に。クリーミー系から苦味のあるタイプまで、バランスよく供されました。
全体として、噂で聞いていた大雑把な感じはしませんでした。皿も丁寧に磨いていたし、厨房もきれい。肉の火入れも良かった。夜のメニューも魅力的で、また行きたいと思わせるお店です。何より、大阪でマテ貝や内臓など、変わった素材を使う料理が食べられるのは他にないです。
いつもマスコミで話題になるのはその量だけですけど、むしろその仕事ぶりに目を向けて欲しいと思いました。
| 店データ |
| 店名:大西亭 |
| 住所:大阪市福島区福島2-10-23 >>地図 |
| アクセス:JR福島駅から徒歩5分 |
| 電話:06-6451-0740 |
梅田・茶屋町にできた複合商業ビル「NU茶屋町」の8Fにあるイタリアン。本店は南森町にある『ビランチャ 南森町本店』。天才的な塩加減(と僕は思ってます)の柿田シェフのお店です。ふとシェフのパスタが食べたくなり、本店にはよく通ったものです。
その後、神戸店、そしてこの梅田店を展開していくにあたり、本店のパスタもシェフが作るとき作らないときで、味はバラバラでした。正直、シェフ以外の作ったパスタは、それはもう比べ物にならない。明らかにシェフの味で確立されたお店です。それゆえに、神戸店に行ったときは普通のカフェのパスタ、という感じで正直失望しました。
さて、梅田店。柿田シェフは本店とこのお店を、日によって行き来しているそうです。あいにくと、この日はシェフ不在。本店で見たことのある若い人が作っていた模様でした。
席数は多く、テラス席もあります。カウンターもありますが、そこで食べるというよりは、バーカウンターという感じでした。内装は本店よりややダークな色調ですが、建物の客層と合わせ、モダン風によくまとめられていると思います。サーブの人も、見た目バイトの女の子が多いですが結構多めです。あとはヒゲを生やしてスーツを着た人が一人。ソムリエかと思いきや、バッヂがなかったから、そうでもないみたい。よくウロウロしてますが、水もこまめに注いで目は配っておられるようでした。
気になったのはお店に入ったとき、受付のコが電話にかかりっきりだったこと。電話中ならば他の人のフォローが必要です。「勝手に入っちゃっていいのかな?」という思いを抱きましたから。あと、注文を取るときの声も小さくて聞き取りにくい。内装は大バコでレストラン風ですが、ちょっとサービスは「?」の部分が感じられます。本店のサービスはキリッとしてて良かったんですけどね。
料理は一番安い平日のみの1000円ランチ。1500円にしようかと思ったのですが、他のテーブルを見て、メインの地鶏のローストに心惹かれなかったのです。本店でシェフが作ってくれたガランティーヌは綺麗でうまかったんですけどね。何より、ここはパスタを食べればいいやと思っていましたので、安ランチで。
前菜はおなじみの焼き野菜など。この日はズッキーニとたまねぎのトマトソース和え、ごぼうのトマトソース和え、かぼちゃに粉チーズをかけたもの、の3種。うーん、トマトソースが二つなのはどうだろう。バランスを欠いてます。かぼちゃもヘンに分厚いせいで、飽きるし。しかもパサパサ。ちゃんとオリーブオイルでマリネするなりしておかないと。少なくとも、本店の方ではしてたと思います。
パンは本店と変わらずおいしくない。でも、ちょっと改善された?昔本店で食べたのはもっと固かったような気がしますが。
そして、肝心のパスタ。この日はキャベツとアンチョビのフェトチーネ。パスタのゆで具合はなかなか良いです。ソースは...及第点ではあると思います。ただ、何か違う。とがった塩辛さとでも言うのでしょうか。柿田シェフが作ったものは、もっとうまみがあったと思います。塩は強めなんですけど、確たる自信の表れとしての柿田シェフの塩加減に対して、この梅田店の塩加減の強さはどうもモノマネ感があるのです。柿田シェフの塩加減が天才的すぎるゆえ、なかなか学べなかったのでしょう。
全体的には、そこらのカフェのパスタよりはよほどマシでした。けしてマズイ訳ではない。でも、わざわざ食べに行くほどではない、という感じ。塩加減はかなり強めですので、好みに合わなければまったくダメだと思います。ただ、受付の対応だけはかなり気になりますね。行くならやはり雰囲気等も含め、柿田シェフがいるかどうかを確認して本店に行くのをオススメします。
| 店データ |
| 店名:ラ・ビランチャ 梅田店 >>HP |
| 住所:大阪府大阪市北区茶屋町10-12 NU茶屋町8F >>地図 |
| アクセス:阪急・梅田駅から徒歩5分 |
| 電話:06-6371-3388 |
谷町4丁目駅から少し歩いたところにあるパティスリー『ラ・プラージュ』。こちらのパティシエは東京にあった『タイユヴァン ロブション』(現在はタイユヴァンが撤退し『シャトーレストラン ジョエル ロブション』)でシェフ・パティシエをしていた方だそうです。パリ三ツ星の代表格とも言える店の提携店でパティシエだった方がなぜこんな不便なところで? と思いますが、自信の表れでしょうか。
お店は雑多な街の中に突然かわいい外観を持って現れます。なんだか余計に場違い感があるのですが...。お店の入っているビルはともかく、街中の小さなパティスリーという感じです。
店内は、ケーキから焼き菓子、ショコラに至るまで多数の洋菓子を取り揃え。生ケーキは洋酒やチョコを使ったものが多く、数もかなり多い方です。また、この店のチョコはすべて僕のお気に入りでもある、ヴァローナ社のものにこだわって使っているとのこと。『タイユヴァン~』のときと同じだそうです。
今回はオリエンタルという生ケーキ(400円)と、チョコレートのクッキー(450円)、スモールサイズのチョコレートのタルト(200円)を購入。
ケーキはなかなかおいしいです。ただ、チョコの部分自体はおいしいのですが、中のザラメのような食感のものがどうも...。食感にアクセントを持たせようとする意欲、努力はいいと思いますが、普通に固めのビスキュイとかの方が好みではあります。細かくしたフルーツのコンフィのようなものも入っているのは良いですね。そこらのケーキ屋とはレベルが違います。
クッキーはほとんど甘みのないショコラクッキー。ナッツの香りも素晴らしいもの。甘みがなく、パサパサしてるので、飲み物がないとむせますが、食べてるとだんだんクセになってくる味でした。
今回一番おいしかったのはタルト。普通のタルトです。サクサク感抜群の生地に、なめらかなチョコレート。チョコレート自体もヴァローナ社の素直な風味を活かしたもの。食感のアクセントもよく、もう1個食べたいくらいでした。
全体として、なかなか面白いお店です。でも、なぜ谷町4丁目なんだろう...。ケーキの種類も多く、もっと通いたいお店。近くにあればなー。あるいはイートインスペースでもあれば嬉しいのですが。
| 店データ |
| 店名:パティスリー・ラ・プラージュ |
| 住所:大阪市中央区北新町3-7 >>地図 |
| アクセス:地下鉄・谷町四丁目駅から徒歩5分 |
| 電話:06-6949-3938 |
今季の『グレゴリー・コレ』の新作は、これら2点とタルト・オ・フレーズ(いちごのタルト)のようです。タルトとはここにしては珍しくまた素朴な...と思い、小さなケーキたちを購入。
・オランジュ・ココ(420円)
オレンジムースの中にココナッツのムースを入れたもの。周りのオレンジムースはこれでもか、というくらい酸っぱい。上のクリームはあっさりめで、あくまで酸味で食べさせるケーキです。しかし、ボリュームないケーキですね。おいしいから、それだけの価値はあるんですけど。・パニエ・ドゥ・フレーズ(525円)
ダックワーズにピスタチオのクリームとイチゴ。この美しさはもうケーキではなく、レストランのデセールのレベル。円形のホワイトチョコの間に挟まれたピスタチオクリームは濃厚。こういうミルフィーユタイプのものが、いま流行なんですかね。オランジュ・ココのような酸っぱいものも好きですが、やはりケーキは濃厚で甘いものが王道です。ダックワーズの食感も良く、ゴージャスな気分になれるケーキでした。| 店データ |
| 店名:グレゴリー・コレ 阪急梅田店 >>HP |
| 住所:大阪市北区角田町8-7 阪急梅田本店B1F >>地図 |
| アクセス:各線梅田駅からすぐ |
| 電話:06-6367-3717 |
~関西グルメ食べ歩きレビュー~